東海市加木屋町倉池の内科、消化器内科、小児科、皮膚科 こいで内科医院

院内報 第71号 2022年 夏

院長のひとりごと

第71回「豊かな人生」

最近、友人から「何故もっと豊かな人生を過ごす工夫をしてこなかったのかな?」の書き出しのメールをもらいました。
第三者からみれば、才能がありながら、運命のいたずらで苦労しなくても済んだことを乗り越えた研究者です。
そんな彼の「豊かな人生」とは、と考えこんでしまいます。
初めの大学に入って、自分にはどこにも能力がないと気づいた時から、生きていく場所さがしが始まりました。
両親の死が、今の道に導きました。開業医への道は、医師である妻が子供を育てながら仕事を続けていく唯一の道でした。
人とのコミュニケーション能力の足りない自分が仕事を続けてこれたのは、私と正反対の彼女のおかげと思います。
父親は17歳で亡くなっているので、家仕事は子供に教えておきたいことを伝えるのに都合が良かったです。
旧来型の長男の血が色濃い農家の孫ですから、新しい事より、現状維持、当たらず触らずの気持ちが根底に流れています。
抑圧が強い分反発も強いためか、今の仕事に落ち着いています。
清流のある山の奥で畑や米をつくり、半自給自足が希望です。母親の故郷は岐阜の山奥で、水はおいしく、夏の終わりには日暮らしの鳴き声が秋の訪れを感じさせます。
家族からは、地下鉄のある生活が当たり前で、農業したことないのが今更無理と信用されません。
友人は故郷には農地があり、今の仕事が終わったら、帰郷してお天道様の機嫌をみながら、農耕民族の豊かな生活が始まるのでしょうか。

詠子先生のいきいきアドバイス

第71回「モチベーションとは」

春らしい季節を少しだけ味わったと思ったら、すぐに若葉の季節となり梅雨に突入です。
どんよりとした空とジメジメした毎日にうんざり、気圧の変動の影響もあり気分もすっきりしない日々ですが、この梅雨という季節も四季のある日本ならではの風物詩と前向きにとらえて過ごしていきたいものです。
さて、新型コロナウイルス感染症に対する社会的なとらえ方が少しずつ変容してきています。
海外からの観光客受け入れも拡大し、国内移動も制限をかけずイベントも次々と再開されています。修学旅行や運動会など子供たちの行事も行えるようになり、経験すべき時期に経験することの大切さをかみしめていらっしゃる親御さんも多いことでしょう。
私事ですが、我が家の大学生の三男も部活の大会が3年ぶりに開催されることになりました。
彼自身の喜びはもちろんですが、親としても今年を最後に社会人となる息子の学生時代最後の思い出となるよう願ってやみません。
このように社会活動が大きく動き出している一方、感染はやや減少傾向にあるもののゼロにはなりません。また重症化率もごく少数であることから、この感染症の位置づけが今後大きく変わっていき、通常の対応となっていく可能性が大きいことは間違いありません。ここ2年間振り回されていた医療現場にとって一抹の不安はあるものの朗報であることは確かです。
もちろん今後さらに強力な感染症が出現することも十分あり得るし、災害が起きるかもしれない。しかし地域の人たちの医療を第1線で守る役割を担っているという責任は言葉で言い尽くせないほど大きい。それを本当に痛感した2年間でもあったと思います。
医療者であるという自覚をモチベーションにしなければ越えられなかったかもしれません。また、今後感染症の目途はついたとしても他の病気は待ったなしでやってきます。ほっと一息つきたいところですが気を緩めるわけにはいきません。
東海市の健康診断も始まっていますし、通常の定期受診の患者さんに変化があればすぐに対応していく必要があります。いつも思うことですが、患者さん一人一人に家族があり人生がある。これを常に念頭にして患者さんと向き合っていくこと。
言葉にすると簡単ですが、高齢の患者さんや家族と話すとき、また大きな病気が見つかった人や治療途中の人たちの相談に乗るとき、どこまで医療が介入していく必要があるのか、悩むことばかりです。なぜ自分は医師になったのか、本当に患者さんに寄り添えることができるのか。
いつも自問自答しながら、診療に向き合っています。医療者であるという責任や自覚というモチベーションを毎日確認しながら、院長と二人で今日も頑張ります。

ナースのお仕事 第71回

ジメジメして蒸し暑い季節になりましたね。この6月と秋の9月の台風シーズンは、季節の変わり目や気圧の変化などの理由によってフワフワ・グルグル・クラクラなどのめまいの症状がでやすくなります。

①回転性めまい→グルグルと自己や周囲が回転するめまい。
         耳(内耳)、前庭神経の障害によるめまいの代表。中枢性(脳幹・小脳・延髄)の「危険なめまい」のこともあります。

①回転性めまい→グルグルと自己や周囲が回転するめまい。
耳(内耳)、前庭神経の障害によるめまいの代表。中枢性(脳幹・小脳・延髄)の「危険なめまい」のこともあります。

②浮動性めまい→フワフワと何となく揺れている感じや浮いている感じがするめまい。
        多くの原因があるため診断が難しく、小脳・脳幹の病変もあり、注意が必要です。

②浮動性めまい→フワフワと何となく揺れている感じや浮いている感じがするめまい。
多くの原因があるため診断が難しく、小脳・脳幹の病変もあり、注意が必要です。

③失神性めまい→目の前の暗黒感や気が遠くなる感じなどの失神前駆症状で、脳の血流の著明な低下によって起こります。

また「心の病気」からくるめまいもあります。
その場合、めまいの検査を行っても異常がみられません。不安障害やうつ病でめまいを訴える方もいらっしゃいます。

めまいが起こったら

・我慢せず座ることを最優先に      ・衣服や体を締めつけているベルトなどを緩め、楽にする
・なるべく静かな場所を選び安静にする  ・頭を動かさないようにする
・めまいが長引くときは横になる     ・強いめまいでは嘔吐に備える

・我慢せず座ることを最優先に
・衣服や体を締めつけているベルトなどを緩め、楽にする
・なるべく静かな場所を選び安静にする
・頭を動かさないようにする
・めまいが長引くときは横になる
・強いめまいでは嘔吐に備える

極めてまれに生命にかかわる「危ないめまい」が起こっていることもあります。この場合は一刻を争います。
以下の場合は救急車を手配しましょう。

・経験のない激しい頭痛がする  ・舌がもつれ呂律が回らない
・飲食物が飲み込みにくくなる  ・手足や口の周りがしびれる
・激しい嘔吐を繰り返す     ・意識がうすれたり、なくなったりする
・物が二重に見える       ・視野が狭くなったり、一部が暗くなったりする

・経験のない激しい頭痛がする
・舌がもつれ呂律が回らない
・飲食物が飲み込みにくくなる
・手足や口の周りがしびれる
・激しい嘔吐を繰り返す
・意識がうすれたり、なくなったりする
・物が二重に見える
・視野が狭くなったり、一部が暗くなったりする

救急車を待っている間は、頭を動かさないようにし、上半身をやや高めにして横になり待ちましょう。

軽いめまいの中にも中枢性(危ないめまい)が隠れていることもあり、症状が続くときや気になる症状がある場合は医療機関を受診するようにしましょう。

うけつけ通信 第71回

『特定健康診査』
今年度も東海市の健康診断が始まっています。
期間は6月13日から10月31日までです。予約は必要ありません。
いつもの診察と一緒に検査できます。
エコー検査、胃カメラ、胃がん検診、コロナワクチン接種とは一緒にできません。
ご希望の方は東海市から郵送された用紙を、必要事項を記入した上でお持ちください。
最終受付時間が午前は11時30分、午後は18時30分となりますのでこの時間までに受付をお願い致します。

『医師交代』
7月から担当医師の変更があります。
毎月第3火曜日の午前が院長の診療に変更となります。
その他の火曜日の午前はこれまで通り詠子医師が診療します。

『お休み』
8月7日(日)から8月14日(日)まで夏期休暇とさせていただきます。
また、9月24日(土)は都合により休診となります。
ご迷惑をおかけしますが、お薬が不足することのないようにお気を付け下さい。

今年も暑い夏がやってきましたが、個人的には毎日の暑さとスイカの美味しさで夏を実感してます。